01計測
ChatGPT 経由の流入が 10/9 から急減して見えた。原因は出典リンクの追跡タグの欠落で、OpenAI が不具合と認めて 10/15 に修正
これだけは持って帰ってChatGPT 経由の流入が GA4 で減って見えたのは追跡タグの不具合で、OpenAI が 10月15日に修正しました。訪問そのものが減ったとは限りません。
ChatGPT の標準モデルが GPT-6 に切り替わった直後から、回答の本文中のリンクに付いていた追跡タグ(utm_source=chatgpt.com)と参照元の情報が付かなくなり、GA4 では ChatGPT 経由の訪問が「Direct(直接流入)」に見える状態が続きました。Graphite は、AI アシスタント経由の流入が一定以上あるサイトを対象に、ChatGPT 経由のセッションが 10月9日から 22〜57% 減って見えたと報告しています。Adobe の Cedric Huesler 氏によれば、OpenAI は 10月14日に不具合と認め、10月15日の早朝(太平洋時間)から修正を展開し、同日9時にはタグ付きのクリックが前週同時刻の約95〜100% に戻っています。OpenAI のリリースノート(10月1〜15日)には、この件の記載はありません。
Search Engine Journal(新しいタブで開きます)(2026年10月15日・米国時間)
あなたの会社にとっては10月9日から15日の GA4 で ChatGPT 経由の数字が落ちていても、訪問そのものが減ったとは限りません。顧客向けのレポートなどで10月の月次を作る際には、この期間の注記を1行入れておくことをおすすめします。記事によれば、修正後も参照元の情報が付かないクリックが多いので、ChatGPT 経由を数えるなら URL の utm タグで見るのが確実なようです。
弊社計測上での実測当社の週次計測は、サイト側の流入ではなく、API 経由で取った AI の回答そのものから、どの会社が薦められ、どのサイトが出典に出たかを数えています。流入の追跡タグが付くかどうかは、この数え方に関わりません。実際に、同じ14業種・毎週1,260回答で見た ChatGPT の数字は、会社を薦めた回答の割合も、1回答あたりの出典の件数も、10月第2週と第3週で変わっていません。普段お出ししている推薦率・言及率・引用の数字に、この件の影響は出ていません。
02検索エンジン
Google、AI モードと AI 概要でリンクを前に出す5つの変更。「公式の1〜2サイト」を回答の上部に出す試験も
これだけは持って帰ってGoogle が AI の回答の中でリンクを目立たせる方向に動き、「公式の1〜2サイト」を回答の上部に出す試験も始めます。
Google は10月15日、AI モードと AI 概要(AI Overviews)のリンク表示について5つの変更を発表しました。(1) 文中のリンクを回答の上のほうに、より頻繁に出す。(2) 回答末尾の「Dive Deeper」のリンクに画像のサムネイルを付け、クリックしやすい見た目にする。(3) 速報性のある記事のカルーセルと、利用者が選ぶ「優先ソース」を、世界の追加の地域と言語に広げる(優先ソースの利用は開始から7倍に増えたとしています)。(4) 特定の用事や正確な情報を得るための「公式の1〜2サイト」にあたるページを、回答の最上部の新しい枠に出し、そのリンクがなぜ役立つかの説明も添える試験。(5) 動画の結果で、投稿者名と発行元名をクリックできるようにして検索のプロフィールへ飛ばす試験。(4) と (5) は試験中で、対象国と開始時期は発表に書かれていません。
あわせて10月13日(現地)、Google の新しいモデル Gemini 4 Argon が、Google AI Pro と Ultra の加入者向けに Gemini アプリと Google 検索の AI モードで使えるようになりました。無料の利用者の AI モードのモデルが変わるとは発表されていません。
9to5Google(新しいタブで開きます)(2026年10月15日)/ITmedia NEWS(新しいタブで開きます)(2026年10月14日)
あなたの会社にとっては(4) の「公式の1〜2サイト」の試験は、あなたの会社の公式サイトが、AI の回答の中で「公式」として扱われているかに直結します。社名や採用ページの検索で、公式サイトが出典に入っているか、別のサイトが公式のように扱われていないかを一度見ておくと、次に直す場所が決まります。
弊社計測の方針同じ AI モードでも、有料と無料でモデルが分かれると、出る答えと出典も分かれうる状態になりました。当社の週次計測は、原則、利用者の多い無料版の画面に計測モデルを合わせる方針としており、製品側で扱うモデルに変更があれば追従する設計にしています。有料版と無料版で答えと出典がどう変わるかは、急ぎ研究して次号以降で共有します。
03計測
生成AI が参照する情報の 67.5% は企業公式サイト以外。公式の割合は業種で 10.7% から 60.7% まで(Bridge・マテリアル調べ)
これだけは持って帰って生成AI が参照する情報の 67.5% は企業公式サイト以外で、公式サイトの割合は業種で 10.7% から 60.7% まで違います。
Bridge とマテリアルは10月15日、消費者向け18業種の計900問を ChatGPT(gpt-5.6-luna)と Gemini(gemini-3.6-flash)の API(Web検索あり)に3回ずつ投げ、有効5,397回答の参照 URL 70,209件を分類した結果を公開しました(計測日は2026年9月15〜17日)。企業公式サイト以外の割合は全体で 67.5%、ChatGPT 63.4%、Gemini 84.6% です。公式サイトの割合は業種で大きく違い、クレジットカードの 60.7% が最大、全面リフォームの 10.7% が最小でした。YouTube を参照した回答は全体の 16.7%(ChatGPT 26.8%、Gemini 6.5%)。参照 URL が Google 検索の上位10位と重なる割合は ChatGPT 6.8%、Gemini 13.4% でした。「企業公式サイト」は、調査対象とした330の企業・ブランドの公式サイトを指します。
PR TIMES(株式会社Bridge・マテリアルグループ株式会社)(新しいタブで開きます)(2026年10月15日)
あなたの会社にとっては公式サイトがどれだけ参照されるかは、業種で6倍近く違います。あなたの会社の業種で公式がよく引かれるなら公式サイトの中身が、引かれないなら第三者のサイトに何が書かれているかが、先に手を付ける場所になります。
当社の計測から当社が9月25日に公開したカフェの計測(4つの AI・960回答・出典5,064件)と並べると、合う部分と合わない部分があります。合うのは Gemini で、今回の調査を公式サイトの割合に直すと 15.4%、当社は 14.0% です。合わないのは ChatGPT で、今回は 36.6%、当社は 97.4% でした。違いの理由は、業種の数(当社は1業種、今回の記事の Bridge とマテリアルの調査は18業種)と公式サイトの数え方(当社はブランド自身のサイトが自分のブランドについて書いたページだけ)に加えて、質問の性質にあると見ています。今回の900問は検討段階・比較と選定・検索キーワード型の3種で組まれているとのことですが、一方、当社の質問は「おすすめの会社を挙げてください」のように推薦を取るためのもので、推薦を求められた ChatGPT は会社名で検索して公式サイトを出典に載せる傾向があります(10月7日の記事)。結果の違いは、測っているものが違うからというのが当社の見解になります。
04計測
東証上場3,899社のうち 90.1% は、社名を伏せた「おすすめ」の質問で ChatGPT・Gemini・Claude の答えに一度も出なかった(COOD 調べ)
これだけは持って帰って東証上場企業の9割は、社名を伏せた「おすすめ」の質問で ChatGPT・Gemini・Claude の答えに一度も出ませんでした。
COOD は10月17日、東証プライム・スタンダード・グロース・PRO Market の事業会社3,899社(2026年10月16日時点・ETF や REIT は除く)を対象にした集計を公開しました。33業種ごとに社名を出さない質問を3パターン用意し、ChatGPT・Gemini・Claude に3回ずつ、計891回投げています(2026年2月1日〜10月16日)。回答に社名が一度も出なかった会社は3,512社(90.1%)でした。業種別では保険業 100.0%、情報・通信業 96.6%、小売業・不動産業 95.0%、サービス業 94.6% の会社が一度も出ていません。社名が出た会社は、出なかった会社に比べて、ニュースで参照された数の中央値が約4.1倍だったとしています。質問の例は「日本国内で、大規模な商業施設の建築やインフラ整備に強い、おすすめのゼネコン・建設会社を教えて」。1業種あたりの質問は3パターン×3回×3つの AI で、回答に社名が出たかどうかで数えています。
PR TIMES(COOD株式会社)(新しいタブで開きます)(2026年10月17日)
あなたの会社にとっては社名を指名しない質問で名前が出た会社は、この条件では上場企業でも1割でした。1業種に3問の計測なので、この結果から自社の答えは出せません。自社の業種の「おすすめ」の質問を ChatGPT・Gemini・Claude に投げて、名前が出るか、代わりにどの会社が出るかを見ておくと、社内で話を始めやすくなります。
当社の計測から当社の週次計測も、社名を伝えない質問で名前が出るかを数えるところから始めています。当社は、名前が出た(言及)と薦められた(推薦)を分けて数え、1つの業種に数十の質問を毎週投げています。定義と質問の数が違うので、この 90.1% と当社の推薦率は並べて比べられません。
05計測
ChatGPT の出典は一次情報へ。PubMed は64位から4位に、WebMD は18位から79位に(Ahrefs 調べ)
これだけは持って帰ってChatGPT の出典が、一般向けの解説サイトから一次情報(研究機関や会社自身のサイト)へ寄りました。
Ahrefs は、米国の ChatGPT の回答で引用が多い上位200ドメインを、2026年3月(回答240万件)と9月(回答380万件)で比べました。たとえば、PubMed(米国国立医学図書館の医学論文データベース)は64位から4位に上がり、WebMD(米国の一般向け健康情報サイト)は18位から79位に下がり、Britannica(百科事典)・Investopedia(投資用語の解説サイト)・New York Post(米国の大衆紙)は上位200から外れました。別の集計では、無料・ログアウト状態の GPT-5.6 Luna の回答6,660万件(8〜9月)のうち Web 検索を伴ったのは 14.4% で、検索した回答は平均約1.6回の検索を行い、そのうち 6.8% は「site:会社のドメイン」のように特定のサイトの中だけを探す検索でした。この形の検索の行き先を多い順に約160ドメインまで見ると、75.9% はブランド自身のサイトで、ChatGPT はある会社について確かめるときにその会社のサイトを名指しで見に行っていることになります。引用の順位はトラフィックを測るものではない、と注記されています。
Search Engine Journal(新しいタブで開きます)(2026年10月12日)
あなたの会社にとってはChatGPT が掲示板や百科事典ではなく、専門機関や会社自身のサイトを調べて答える方向に動いているなら、自社サイトに事実(事業・数字・採用条件)がきちんと書いてあるかが、以前より効きます。
当社の計測から当社が10月7日の記事(AI がおすすめ一覧を作るときの「情報の辿り方」)で公開した値でも、ChatGPT は推薦した会社の 86% を社名で検索し、推薦の 65% で公式サイトを出典に載せていました。Gemini は 28%、Perplexity は 25% です。ChatGPT が会社自身のサイトに当たりに行く、という点は今回の Ahrefs の記事の内容と同様の指摘になります。
06採用
27卒で生成AI を使った就活生のうち、77.7% が応募の判断で AI の回答を参考に(Paragon 調べ)
これだけは持って帰って生成AI を使った27卒の就活生の 77.7% が、応募するかの判断で AI の回答を参考にしています。
Paragon は10月14日、就職活動をしたことがある2027年卒の学生200名への調査(2026年9月30日〜10月3日・インターネット調査)を公開しました。就活で生成AI を使った人は157名(78.5%)。この157名のうち、応募するかの判断で AI の回答を参考にした人は 77.7%、内定を承諾するかの判断で参考にした人は 69.4% でした。参考にした内容は、事業内容・仕事内容 32.5%、給与・福利厚生・勤務条件 24.8%、口コミ・評判・報道 22.9%、社風・人間関係・働きやすさ 21.7% です。回答者200名の集計で、27卒全体の割合ではないと本文に明記されています。
PR TIMES(株式会社Paragon)(新しいタブで開きます)(2026年10月14日)
あなたの会社にとっては応募の前にも、内定の後にも、AI の回答が判断材料に入っています。AI があなたの会社の事業内容と勤務条件をどう答えているかは、採用サイトを直す前に一度見ておきたいところです。
当社の計測から当社が10月9日に公開した調査(就職活動で生成AI を使ったことがある大学生・大学院生454人)では、72.0% が条件を伝えて AI に企業名を挙げてもらい、52.0% が AI の回答をきっかけに応募を見送った・選考を辞退した企業があると答えています。対象も聞き方も違う2つの調査で、「AI の回答が応募の判断に入っている」という主張を同じく支持する数字が出ました。
07市場
Cloudflare、AI 向けの Web 検索 API を公開(10/2・少し前の話です)。10/15 には OpenAI の検索インデックスに数億ページを足した途中経過も
これだけは持って帰ってAI が Web を検索する仕組みが単品の製品になり始め、Cloudflare も検索 API を出しました。
Cloudflare は10月2日、AI Gateway に Web Search API を追加しました。Ceramic.ai・Exa・Linkup の3社の検索と提携し、AI エージェントやアプリが1つの窓口からリアルタイムの Web 検索を呼べるようにするものです。料金は提携先の通常の API 価格をそのまま使い、上乗せはしないとしています。REST API のほか Workers から1行で呼べます。この先の予定として、開発者が検索ツールを自分で定義しなくても、モデルが AI Gateway 側のサーバーツールとして Web 検索を呼べるようにする計画を挙げています。作った理由として同社は、AI エージェントが最新の情報を要る場面でページの URL を推測して取りに行き 404 になることや、モデルが知識の締め切り以降の出来事に答えられないことを挙げています。
同社は10月15日に、OpenAI との研究パイロット(2026年7月開始)の途中経過も公開しています。Cloudflare のネットワークの約1%にあたる参加サイトについて、存在しないページや重複ページの除外、ページが更新されたかの変更シグナル、ページ単位の有害ページの検出といったメタデータを OpenAI に渡し、これまで知られていなかった数億の新しいページが OpenAI の検索インデックスに加わったとしています。渡すのはメタデータで本文ではなく、モデルの学習には使わない、シグナルはアクセスの許可を意味しない、サイト運営者に必須の対応はない、と書いています。
Cloudflare Blog(Web Search API)(新しいタブで開きます)(2026年10月2日)/Cloudflare Blog(OpenAI とのパイロット)(新しいタブで開きます)(2026年10月15日)
あなたの会社にとってはAI が Web を検索するための仕組みは、ChatGPT・Gemini・Perplexity がそれぞれ自前で持つほか、Perplexity Search API・Brave Search API・Exa・Tavily・Parallel のように検索の部分だけを売る会社が増えています。当社の見立てでは、各社の仕様はまだばらばらで手探りの段階ですが、検索の部分だけで製品になるくらいには動きの速い領域です。あなたの会社の名前が AI の答えに出るかは、この「どの検索を、どう呼ぶか」にも左右されます。
当社の計測から当社がいま毎週測っているのは、ChatGPT・Gemini・Perplexity・Claude が人の質問に答えたときに、どの会社の名前が出て、どのサイトが出典になるかです。こうした検索 API を組み込んだ AI エージェントやアプリが、人の目に触れる答えを作る側に回ってきたら、当社でも計測対象に加える計画です。
前号からの積み残し
第2号(10/13)(新しいタブで開きます)の1本目で、「GPT-6 への切り替えの前後で、ChatGPT が出典に挙げるサイトが変わっていたら次号で共有します」という積み残しがあった件について2点ご報告です。
1点目。当社の ChatGPT の計測は API 経由で、モデルは9月から10月まで同じ gpt-5.6-luna のままです。ChatGPT の画面側のモデル切り替えは、当社の数字には映りません。これを先にお伝えするべきでした。製品側の切り替えには較正のうえで追従し、今週の計測から新しいモデルに移ります。
2点目。同じ14業種・毎週1,260回答で見ると、ChatGPT の出典は1回答あたり 4.7件前後で、9月下旬から10月第3週まで変わりませんでした。出典の上位の顔ぶれ(中小企業庁・厚生労働省など)も同じです。今号の1本目の追跡タグの件は、サイト側の流入の数え方の問題で、回答の中の出典の数には出ていません。
編集: 末野晃太郎(株式会社X-Ops 代表取締役)
PromptCensus は、ChatGPT・Gemini・Perplexity の答えに会社の名前が出る割合を毎週数えています。言葉の定義は用語集に、無料ミニ計測はこちらにあります。
この記事は note にも掲載しています。
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