01計測
Gemini の引用リンクに付いていた目印が9月28日ごろに消えた模様。iOS アプリからの訪問は GA4 で「Direct」に
これだけは持って帰ってGemini の iOS アプリから来た訪問は、GA4 では Gemini 経由と見分けられず「Direct」に入ります。
Gemini は9月初めから、引用リンクに「utm_source=gemini」という目印を付けていましたが、9月28日ごろに付かなくなった、と SEO の実務家が10月27日に X でグラフを示しました。Google の John Mueller 氏も Reddit で、同じ動きを確認したと書いています。Google からの公式の説明はありません。
ウェブ版の Gemini からの訪問は、参照元(gemini.google.com)が残るので、これまでどおり見分けられます。iOS アプリは、リンクをアプリの中のブラウザで開き、参照元を送らないため、GA4 では「Direct」に分類されます。残る手がかりは、サーバーのログに残る「GeminiiOS」という名前だけだそうです。
Search Engine Roundtable(新しいタブで開きます)(2026年10月30日)
あなたの会社にとってはGA4 で Gemini 経由の訪問を数えている場合、9月末から数字が減って見えても、訪問そのものが減ったとは限りません。前号(新しいタブで開きます)の2本目でお伝えした ChatGPT 経由の訪問と同じく、AI 経由の訪問は GA4 の数字が少なめに出ると見ておくのが安全です。
02広告
ChatGPT 広告、10月30日から広告文の自動調整が既定でオンに。遷移先が変わったときの計測の扱いは未記載
これだけは持って帰って前号でお伝えした ChatGPT 広告の自動調整は、予定どおり10月30日から既定でオンになりました。止めるには Ads Manager の設定の変更が必要です。
対象は新規と既存の広告で、見出しと説明文の書き換え、翻訳、画像のサイズ調整、遷移先 URL の変更が含まれます。設定は Ads Manager の「Manage settings」にあり、アカウントの設定が既定、キャンペーンの設定がそれより優先されます。
Search Engine Journal は、遷移先 URL が変わったときに、URL に付けた計測用の目印が引き継がれるかは、10月30日の時点で OpenAI の説明に書かれていないと指摘しています。同じ日に、広告を出せる国は89か国になりました。
Search Engine Journal(新しいタブで開きます)(2026年10月30日の変更を報道)/Search Engine Roundtable(新しいタブで開きます)(2026年10月30日)
あなたの会社にとっては自動調整をオンのまま使う場合は、遷移先がどのページに変わったか、計測の目印が残っているかを、配信後に一度確かめておくと安心です。
03制御
Bing と Google、「AI の学習に使うか」と「AI の回答に使うか」を分けて決められる設定を相次いで発表
これだけは持って帰って自社のサイトを、AI のモデルの学習に使わせるかと、AI が回答を作るときの検索で引かせるかを、別々に決められる仕組みが2027年から始まります。名前を挙げてほしい会社ほど、学習を断る前に一度立ち止まって考えたい話です。
Microsoft は10月30日、Bing に3つの設定を設けると発表しました。AI の学習に使うかの「AI Training」、AI の回答を作るときに使うかの「AI Grounding」、Microsoft 自身の AI 製品には使わせ、Microsoft が外部に提供する回答作成の仕組みには使わせない「Limited Grounding」です。Bing は2027年2月1日からこの設定に従います。通常の Bing の検索順位には影響しないとしています。回答への利用を止めると、AI の回答に出る機会は減りうるとも説明しています。
Google も同じ日、AI の学習を断る意思を、複数の AI 事業者にまとめて robots.txt で伝える共通の書き方(IETF で議論中の提案)に、2027年に対応すると発表しました。この書き方で学習を断ると、Google は Gemini 向けの設定「Google-Extended」も断ったものとして扱う予定です。Gemini アプリの回答に引かれる対象になるのは、Google-Extended を許可しているサイトだと説明しています。
Search Engine Roundtable(Bing)(新しいタブで開きます)(2026年10月30日)/Search Engine Roundtable(Google)(新しいタブで開きます)(2026年10月30日)
「学習」と「回答への利用」は何が違うのか
AI の答えに会社の名前が出る道は、大きく2つあります。
- 学習: モデルを作るときに読んだ文章から、会社の名前や特徴を覚えている。質問を受けた時点で、検索をしなくても名前が出てくる道です。
- 回答への利用: 質問を受けてから Web 検索をして、見つかったページを読んで答えを作る。答えの下に出典として出てくるのは、こちらで読まれたページです。
どの検索の仕組みが使われるかは、エンジンによって違います。Microsoft の Copilot は Bing を、Google の Gemini と AI モード・AI 概要は Google の検索を使っています。ChatGPT の検索について OpenAI は、外部の検索の提供元と組んでいると説明していますが、提供元の名前は公表していません。
学習の設定が効くのは、これから作られるモデルです。すでに出ているモデルが覚えていることは、設定を変えてもすぐには変わりません。Google の AI モード・AI 概要に出るかどうかは、今回の設定とは別に、Search Console の設定で決める仕組みです。
あなたの会社にとっては当社の見立てでは、ChatGPT の答えに名前が出るかは、検索の前の段階で、モデルがその会社を覚えているかに大きく左右されます。10月26日に Search Engine Journal が紹介した Graphite(AI 検索の支援会社)の分析でも、検索なしの ChatGPT で名前が出やすいブランドは、検索ありでも名前が出やすい傾向が報告されています(Search Engine Journal(新しいタブで開きます)・相関の分析です)。そう考えると、学習を断るのは、次のモデルで初手に名前が出る機会を手放すことになりえます。広報と Web の担当で、学習と回答への利用をそれぞれどうするかを、2027年の前に一度話しておくとよさそうです。
04計測
研修会社と法人向け融資、業種を絞った出典の計測が2本。ChatGPT が会社自身のサイトを多く出典に挙げる点は共通(Uravation 調べ/バクリ・Dr.AISEO 調べ)
これだけは持って帰って業種を絞った出典の計測が同じ週に2本出ました。どちらでも ChatGPT は会社自身のサイトを最も多く出典に挙げ、ほかのエンジンとの差の出方は業種で違いました。
研修会社を探す質問(Uravation)
株式会社Uravation は10月27日、研修会社を探す20問を ChatGPT・Gemini・Perplexity・Claude に聞いた結果を公開しました。各3回、延べ240回で、測定日は9月27日です。引用元の内訳は、研修会社・AI 支援会社の自社サイトが 70.1%、比較・まとめメディアが 17.1%、プレスリリースやニュースの転載が 6.5% でした。自社サイトの割合は、ChatGPT が 82.7%、Perplexity が 58.8% です。会社名が答えに出た割合は、一般的な聞き方で 20.0%、稟議や比較検討の段階の聞き方で 43.3% でした。
法人向け融資の質問(バクリ・Dr.AISEO)
バクリ株式会社と Dr.AISEO株式会社は10月28日、法人口座や事業融資などの522問を ChatGPT と Gemini に2回ずつ聞いた結果を公開しました。計2,088回答で、計測日は10月21日です。ChatGPT が最も多く参照したのは金融機関の公式サイトで 59%、Gemini はメディア・専門家の記事で 44% でした。両方が参照した上位20サイトのうち、共通していたのは6件です。質問に都道府県名を入れると、地域の金融機関の割合は ChatGPT で 23% から 56%、Gemini で 12% から 47% に上がりました。前号でお伝えした個人向けの計測に続く、法人向けの計測です。
PR TIMES(株式会社Uravation)(新しいタブで開きます)(2026年10月27日)/PR TIMES(バクリ株式会社)(新しいタブで開きます)(2026年10月28日)
あなたの会社にとっては比較の段階に近い聞き方ほど、会社名が出やすくなっています。あなたの会社のサイトに、比較検討で聞かれそうな内容(料金・対象・実績など)が書いてあるかを確かめておくと、出典に挙げられる材料が増えます。地域で営業している会社は、「〇〇県で」「〇〇市の」と地域名を入れた質問で名前が出るかも見ておきたいところです。どちらの計測も1業種・1日の測定で、融資の計測では同じ質問を2回聞いて両方で開かれたページは2割前後でした。1回の確認で判断せず、同じ質問を何度か聞いてください。
当社の計測から当社は同じ4つのエンジンで、答えの出典がどこかを数えてきました。7〜8月に測り9月25日に公開したカフェの計測(960回答・出典5,064件)では、企業の公式サイトの割合は ChatGPT が 97.4%、Gemini が 14.0%、Perplexity と Claude はどちらも 1.1% でした。週次で計測しているほかの16業界でも、対象の会社の公式サイトを出典に挙げる割合は ChatGPT が約4割で、ほかのエンジンの1〜2割を上回っています(8月24日〜9月20日の4週間)。ChatGPT が公式サイトを最も多く出典に挙げるという点は、今回の2本と同じ結果です。Perplexity と Claude の公式サイトの割合は、研修会社の計測のほうがずっと高く出ています。当社の見立てでは、カフェのように口コミやメディアの記事が多い業種と、法人向けの研修や融資のように会社自身のサイトに情報が集まる業種とで、エンジンごとの差の出方が変わると考えています。数え方も違い(研修会社の計測は1回答の中で重複を除いたサイトの数、当社は出典の件数)、割合をそのまま並べることはできません。
05計測
AI に引用されたページは、冒頭で答えを出している割合が高い。引用 20%、引用されなかった上位ページ 5%(TJ Robertson 氏の分析)
これだけは持って帰ってChatGPT と Google の AI モード・AI 概要に引用されたページは、冒頭で質問に直接答えている割合が、引用されなかったページの4倍でした。
SEO 支援会社 TJ Digital の TJ Robertson 氏は、ChatGPT・Google の AI モード・AI 概要の回答 193,507件(78社・4,167問・8月27日〜10月21日)を分析しました。冒頭で直接答えているページは、引用されたページで 20%、Google の上位10件に入りながら引用されなかったページで 5% でした。題名に年号が入ったページ、12か月以内に更新されたページ、表のあるページも、引用されやすい傾向がありました。著者欄があるページは、逆に引用されにくい傾向でした。本人は、これは相関で、ページの特徴が引用の原因だとは示していないと書いています。
Search Engine Journal(新しいタブで開きます)(2026年10月28日)
あなたの会社にとってはよく聞かれる質問への答えを、ページの冒頭に置いているかを見直すのは、手間の小さい施策です。前号の Sistrix の調査(目次は1.7倍・llms.txt は差なし)と合わせると、ページの作りと書き方のどちらも、効いても数倍の幅の話だと見ておくのがよさそうです。
06採用
転職活動で AI を使う人は 52%、20代では 75%。使う AI は ChatGPT 68%、Gemini 50%(エン 調べ)
これだけは持って帰って転職活動で AI を使う人は半数を超え、20代では4人に3人でした。
エン株式会社は10月28日、「エン転職」の利用者725人に聞いた結果を公開しました(9月1〜30日)。転職活動で AI を使っている人は 52% で、20代は 75%、50代は 50% でした。使う AI は ChatGPT が 68%、Gemini が 50% です。主な使い道は自己分析(64%)と応募書類の添削(58%)でした。困ることの1位は、AI が誤った情報を出す不安(29%)です。
PR TIMES(エン株式会社)(新しいタブで開きます)(2026年10月28日)
あなたの会社にとっては新卒だけでなく中途の候補者も、ChatGPT や Gemini を使って転職活動を進めています。候補者が ChatGPT や Gemini にあなたの会社のことを聞いたとき、事業内容や働き方が正しく答えられているかを一度確かめておくと、誤った情報で候補から外される心配を減らせます。
当社の計測から当社が10月9日に公開した調査(就職活動で生成AI を使ったことがある大学生・大学院生454人)では、72.0% が条件を伝えて AI に企業名を挙げてもらっていました。中途の転職でも、企業名を知る入口に AI が使われていく流れは同じと考えられます。
前号からの積み残し
前号(10/26)(新しいタブで開きます)で持ち越した話はありません。
編集: 末野晃太郎(株式会社X-Ops 代表取締役)
PromptCensus は、ChatGPT・Gemini・Perplexity の答えに会社の名前が出る割合を毎週数えています。言葉の定義は用語集に、無料ミニ計測はこちらにあります。
この記事は note にも掲載しています。
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